小・中学生のお子さんをお持ちの方、小学生/中学生の方、いきなりですが質問です。
『読書感想文の宿題にマンガはいけません!』
と学校の先生に言われたことはありませんか?
みなさんこんにちは。このブログを書いているミッチです。私は中学1年生の娘と小学1年生の娘がいる、2人の女の子のパパです。普段は私は家で仕事をしているので、子供達が学校から帰ってくると、私が子供たちの宿題を手伝っています。
で、子供達の宿題を手伝っていると、正直言って:
『んんん...この宿題の問題は、問題自体にちょっと問題があるな〜』
とか、
『なんで学校の先生はそんなことをやらせるのかな〜』
などと疑問に思う宿題や課題を目にすることが時々あります。まあ、学校の先生は学校の先生で何か考えがあってのことかと思うのですが。
そこで今日は、私の子供が学校から持って帰ってきた宿題で、ちょっと疑問に思ったことを一つシェアさせていただけたらと思い、記事を書かせていただきました。それはどんなことかと言うと、中学1年生の娘の夏休みの宿題の、読書感想文についてのことです。
この記事を書いている数日前から夏休みが始まったのですが、中学生の娘の休みの宿題で、読書感想文を書くと言う課題がありました。で、プリントに読書感想文を書くときのガイドラインがあって、そこに、『漫画の読書感想文はいけません。』と書かれていたのです。まあ、私も日本の小中高を出ているので、学校の読書感想文の宿題に漫画の読書感想文は書かないと言うことを当然のこと受け止めていました。
しかし今大人となって、あらためて考えてみると、『なぜ読書感想文にまんが本を使ってはいけないのか?』よくわかりません。学校の宿題の読書感想文に、漫画本の読書感想文がダメな理由が特に見当たらない気がするんです。
実は私は外国語の講師をしているのですが、生徒さんたちに、『あなたが興味があるんであれば、小説でも雑誌でも辞書でも、読みたいものをなんでも読みたいだけ読んで!』っていつも指導しているんです。そして漫画本も例外ではありません。と言うよりもむしろ、私はよく外国語を勉強している人に、漫画本を読むことをお勧めしているんです。漫画本にはイラストが載っているので、書いてある内容を比較的簡単に理解することができます。また、テスト対策用の単語集などを使っての単語練習はつまらないかもしれません。でも漫画本は単語や表現、慣用句の宝庫です。ストーリーを読みながら、自然と単語や表現を身につけることができます。さらに難しい漢字にはルビがついていることもありますので、漢字の勉強にもなります。まんがのジャンルにもよりますが、その漫画本の背景となっている国や地域の文化や習慣を学ぶことだってできるんです。
『本を読むことはとても良いこと』と言うことは誰でも知っているのに、なぜ日本の学校教育ではマンガ本をのけもの扱いにするのでしょうか?そこで学校の宿題に漫画本の読書感想文がダメな理由を少し考えてみました。
読書感想文にマンガがダメな理由 その①
文字数が少ないから?:
漫画本が読書感想文にダメな理由について考えると、多くの人が『マンガ本は文字数が少ない』ことを理由の一つとしてあげるのではないでしょうか?
しかし、本って:
『文字数が多い本』=『良い本』
というわけじゃありませんよね。しかも、漫画本にだって文字数が多い漫画本があります。それから、シリーズになっているものを全巻読んだら、何十冊にもなりますから、文字数もそれなりに多くなります。したがって、漫画本は文字数が少ないとは必ずしも言えません。
よって、『漫画本は文字数が少ないから読書感想文には適さない』という考え方は、漫画本の読書感想文がダメな理由として少し弱いかと思います。
読書感想文にマンガがダメな理由 その②
絵が多いから?:
読書感想文に漫画本が適さない理由として次に思いついたのは、『漫画本には絵が多いから?』ということです。
でも、そもそも本に絵があったらいけない理由はないかなと思いました。私は心理学に興味があるので、たくさん心理学に関する本を読みます。で、むずかしい心理学の本にも、読者にわかりやすく説明するためにイラストが載っているものがたくさんあります。私の専門である言語学の本にだって、ほとんどのものにイラストがたくさん載っています。本の内容を読者にわかりやすく伝えるために、挿絵(さしえ)やイラストを効果的に使うのは、本を書く側から読者への配慮(はいりょ)です。
日本の教育では、『他人のことを思いやる気持ちは大切だ』とも教えられることがあります。だから『漫画本は絵が多いから読書感想文には適さない』という考え方も、読書感想文にマンガが適さないという理由として弱いかと思いました。絵をたくさん効果的に使っている本はむしろ読者のことを考えてくれている素晴らしい本かと思います。
読書感想文にマンガがダメな理由 その③
内容がくだらないから?:
『くだらない』という表現は漫画家の先生方に失礼ですが、『もしかして内容が学校教育には不適切(ふてきせつ)だからかな?』とも思いました。私が小・中学生だった頃は、不良もののマンガが流行っていたから、『マンガ=不良』という考えの人がいてもおかしくないのかなという理由です(ちなみに、私自身は不良もののマンガが教育に不適切という考えはありません)。
でも、『全てのマンガが学校教育に不適切』という訳ではありません。マンガじゃない本だって、内容が教育に不適切な本だってありますし、マンガにだって素晴らしい内容のものがあります。
それに加え、何がよくて、何が悪いかなんて、考え方やものの見方ひとつで変わってしまいます。例えば、いたらず好きのA君を例にとってみてみましょう。人によってはA君を『いつも他人を困らせる悪い子』と表現するかもしれません。でも、別の人はA君のことを、『クリエイティブで元気な子』と表現するかもしれません。
何がよくて、何が悪いかなんて、どこにフォーカスを当てるかによって変わってしまいます。
という訳で、漫画本全てが、教育に適さないという訳でもないですし、そもそも、何が教育に適しているかということも何に焦点(しょうてん)を当てるかによって変わってきてしまいます。だから、私は『漫画本は内容がくだらないから読書感想文には適さない』という考え方も、理由として説得力が乏しいかなと思いました。
読書感想文にマンガがダメな理由 その④
内容がフィクションだから?:
あと私が考えついた『漫画本の読書感想文は学校の宿題にはアウトだ』という理由の一つは、『マンガの内容は現実からかけ離れたフィクションが多いからかな?』という理由です。
でも、それもやはり、ものによるかと思います。実話をもとにしたノンフィクションのマンガもありますし、逆にマンガではない本でも現実からかけ離れたことを題材にしたフィクションの本があります。そもそもフィクションは書物のジャンルだから、漫画かどうかにはあまり関係ありません。読書感想文にフィクションがダメなのであれば、『フィクションの読書感想文はダメ』とするべきでしょう。しかも読書感想文に『フィクションはダメ!』としてしまった場合、読書感想文のために読んでも良い本のタイトルがかなり狭(せま)くなってしまいます。
という訳で、『漫画本は内容がフィクションだから読書感想文には適さない』という考え方も理由にはならないかなと思いました。
読書感想文にマンガがダメな理由 その⑤
読まないで、テレビで見ちゃうから?:
『マンガの読書感想文がなんでダメなんだろう...』と考えていて最後に思いついた『これが理由かな?』というものは、
マンガの中にはテレビでアニメとして放映しているものがあるから、本を読まずにテレビのアニメバージョンを見て、ズルをしてしまうから
というものが考えつきました。
しかし、それも、『読書感想文にマンガ本が適さない』という理由には少し説得力が乏しいと思いました。それはなぜかというと、
①無数にあるマンガの中で、テレビのアニメバージョンとして放映されているタイトルは、ほんの一握りのマンガだけだからです。
②また、同じマンガでも、漫画本とテレビのアニメバージョンではストーリ展開が多くの場合微妙に違います。生徒の書いた読書感想文が、本当に漫画本についての読書感想文なのか、それともテレビのアニメバージョンについてのものなのかは、確認しようと思えば確認できるはずです。
③さらに、テレビ化されているのは漫画本に限った話ではありません。漫画本じゃない本だって、テレビ化されているものがたくさんあります。
④それどころか、漫画本じゃない本の中には、オーディオブックとして売られているものがたくさんあるから、むしろ漫画本じゃない本の方が『読まずに聞いて、ズルをしてしまう』ということが簡単にできます。例えば、こう言うサービスです↓
という訳で、『読まないで、テレビで見てズルをしてしまう』というのも上記の①〜④の理由で無理があるかなと思いました。
以上5つが、私が考え付く『宿題に、漫画本の読書感想文はダメな理由』として考えつく理由です。ただ、やはり、私としてはどれも矛盾(むじゅん)している理由かと思いました。
ただこの『学校の読書感想文にマンガはダメ!』という考え方は、人それぞれ意見が異なるかと思います。正しい答えはないでしょう。
このページの読者の皆さまは、どう思いますか?もし何かご意見がありましたらお気軽にコメント欄にコメントいただければと思います。最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
==========お役立ち情報==========
夏休みの宿題の読書感想文のことで悩んでいませんか?
そんなあなたに、今日ご紹介したいのが『ちびまる子ちゃんの読書感想文教室』という本です。はい、本のタイトルからご想像がつくかもしれませんが、ちびまる子ちゃんのマンガやイラストがこの本の所々に出てきて、あなたに適した本選びから、読書感想文の書き方を丁寧(ていねい)に解説してくれる本です。また、漢字にはルビがふってあり、ページ数も170ページ程度です。小学1年生からでも大丈夫な、非常に読みやすい読書感想文マニュアルです。
この本には読書感想文を書くための5つの技(わざ)が書いてあるので、そのステップに従って書けば、簡単に素晴らしい読書感想文が書けるように工夫されています。 また、『達人の感想文の例』が10も載っているので、上手く書かれた読書感想文を読んで、例に習うこともできます。しかもキンドル本バージョンもあるので、『読書感想文の提出期限までに時間があまりない』という方でも、今すぐダウンロードして読むことができます。
アマゾンの商品リンクを貼っておきます↓。お子さんの読書感想文の宿題で教え方に苦戦している方、もっと上手に読書感想文を書きたいという学生さん、読書感想文のコンクールを狙(ねら)っているお友達、ぜひ一度読んで、参考にしていただければと思います。